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NONPROFIT ORGANIZATION / TOKYO JPAC PUBLIC BENEFIT · SAFETY · COEXISTENCE
JPAC Japan Partnership for Animal Coexistence 特定非営利活動法人 日本動物共生社会推進機構

DISASTER PREPAREDNESS

ペット防災と同行避難

今日から備える避難先・持ち出し品・クレート

災害が起きてから、避難先や持ち出す物を考える余裕はありません。まず確認したいのは、自宅周辺のどこへ逃げるのか、その場所でペットを受け入れてもらえるのか、家族の誰が何を持つのかです。このページでは、今日から始められる準備を順番にまとめました。

最初に確認すること

  • 「同行避難」は、避難所で人とペットが同じ部屋に入れるという意味ではありません。
  • 受け入れ方は自治体や避難所によって異なります。居住地の最新情報を確認してください。
  • 災害時は、まず飼い主と家族の安全を確保します。危険な状況で無理に移動しない判断も必要です。
この記事の目次

最初に、避難先のルールを確認する

ペットを連れて指定避難所まで移動することを「同行避難」といいます。避難所で飼い主とペットが同じ室内で過ごす「同伴避難」とは別の考え方です。避難所によって、屋外の専用場所、別室、ケージ内での管理など、受け入れ方が異なります。

自治体の防災ページで「ペット」「同行避難」を検索し、分からない点は防災担当窓口に確認します。指定避難所だけに頼らず、親族・知人宅や一時預け先など、地域の状況に合う第二候補も考えておくと安心です。

自治体へ確認する三つのこと

  1. ペットと一緒に避難できる場所はどこか
  2. 避難先では、ペットをどこで、どのように管理するのか
  3. 飼い主が持参すべき物と、健康・予防接種などの確認書類は何か

持ち出す物は「すぐ使う物」からそろえる

大きな袋を一度に完成させる必要はありません。玄関近くに、移動と健康維持に欠かせない物をまとめるところから始めます。フードや薬には期限があるため、日常で使いながら補充する方法が現実的です。

移動と逸走防止

キャリーまたはクレート、リード、首輪またはハーネス、迷子札、予備の係留具を用意します。扉や窓の開閉が増える災害時は、普段は外へ出ない動物でも逃げるおそれがあります。

食事・水・薬

フード、水、食器、常備薬、療法食を準備します。必要量は動物の種類、体格、持病、地域の防災計画によって変わります。薬の名前、1回量、投与時刻は紙にも残してください。

衛生と情報

排泄用品、タオル、ポリ袋、清掃用品に加え、ペットの全身写真、飼い主の連絡先、マイクロチップ番号、かかりつけ動物病院の情報を用意します。スマートフォンが使えない場合に備え、紙の控えも持ちます。

クレートは、普段から休める場所にする

災害当日に初めてクレートへ入れると、動物にも飼い主にも負担がかかります。まずは普段過ごす部屋へ置き、扉を開けておきましょう。中へ入ることを急がせず、休める場所として使います。後半では、近づくところから移動の練習までを段階ごとに紹介します。

呼吸の乱れ、激しい鳴き、体当たりなどが見られたら、練習を続けず落ち着ける状況へ戻します。体調の異常が疑われるときは獣医師へ相談してください。

家族が別々の場所にいる時間も想定する

災害は、家族全員が自宅にいるときに起きるとは限りません。誰がペットを確保するのか、持出袋はどこにあるのか、帰宅できないときは誰に頼むのかを、一枚のメモにまとめます。避難先まで実際に歩き、夜間や雨天に通れない道がないかも確認しておきます。

備蓄は、いつもの暮らしで使える物を選ぶ

災害用だからといって、食べ慣れていないフードをまとめ買いする必要はありません。普段のフードと水を余裕を持って保管し、古い物から使って補充します。環境省の一般飼い主編では、少なくとも5日分、できれば7日分以上の備えを勧めています。自治体の案内、物流が止まった場合、頭数に応じて必要量を考えてください。

一日に食べる量と飲む量を普段から記録しておくと、家族以外の人にも世話を頼みやすくなります。療法食や継続して飲む薬がある場合は、入手できなくなったときの対応をかかりつけの獣医師に相談します。薬の増量や代替は自己判断で行いません。

持出袋と、自宅の備蓄を分ける

  • 持出袋:リード、キャリー、必要な薬、少量のフードと水、食器、排泄用品、連絡先の控え。飼い主が安全に運べる量にします。
  • 自宅備蓄:フード、水、トイレ用品、予備の道具。保管場所と期限を家族が分かるようにします。
  • 個体情報:名前、写真、識別情報、病歴、投薬内容、動物病院の連絡先。公開用ではなく、必要な相手に渡すための控えです。

犬と猫では、移動の準備も違います

犬は、首輪やハーネスが抜けないかを確認し、キャリーを使う場合も事前に出入りを練習します。猫は驚いて逃げると確保が難しくなるため、キャリーの扉や留め具を点検します。避難中の道路や屋外で、確認のためにキャリーを開けないでください。

多頭飼育では、一度に全頭と荷物を安全に運べるかが課題になります。誰がどの動物を担当するか、運搬具が足りるか、家族が不在の場合は誰に頼めるかを、実物を使って確認します。

クレート練習は、動物の様子を見ながら進める

  1. 扉を開けた状態で置き、近づいても追い込まれない場所にします。
  2. 自分から入口へ近づくことを待ちます。食べ物を使う場合も、入った直後に扉を閉めて驚かせません。
  3. 中で落ち着いて過ごせるようになってから、扉を短く閉めてすぐ開けます。
  4. 無理なく過ごせる範囲で、短い移動や持ち上げを練習します。

一日で最後まで進める必要はありません。扉を閉めると激しく暴れる、呼吸が乱れる、逃げようとし続ける場合は中止します。狭い場所で長時間我慢させることや、暑い車内で待たせることは、避難練習ではありません。

クレートの使い方を動画で確認する

避難先では、飼い主が世話と衛生管理を担う

避難所の職員がフードや世話をすべて用意してくれるとは限りません。到着したら、受付に動物の種類・頭数を伝え、待機場所、排泄物の処理、給餌、清掃のルールを確認します。動物が苦手な人やアレルギーのある人も利用する場所なので、通路や生活区域で自由に歩かせません。

水が飲めない、食事が取れない、体調がいつもと違うときは、状況を記録し、利用できる動物医療や支援窓口に相談します。避難先の掲示と受付の案内を確認し、ネット上の古い支援情報だけで移動先を決めないようにします。

避難の準備を、一枚の家庭メモにする

避難先を調べた人だけが内容を知っていても、家族が別々にいる時間には役立ちません。確認した情報を、誰でも読める一枚のメモにします。紙を持出袋に入れ、家族が見られる場所にも控えを置きましょう。連絡先や識別番号をSNSに載せるための資料ではありません。

次の表は家庭で使う記入項目の例です。空欄を全部埋めることより、『まだ確認できていないこと』を見つけるために使ってください。避難所の受入条件は、施設名だけでなく、確認先と確認した日も残します。去年の案内を見つけた場合は、今も同じ条件かを自治体へ確認します。

メモする項目書いておきたいこと決まらないときの次の行動
避難先第一候補・第二候補、ペットの待機場所、受入条件自治体の防災担当へ確認する
担当誰が動物を確保し、誰が荷物を持つか一人で在宅する時間を想定して分担を見直す
留守のとき事前に了承を得た頼み先と連絡方法対応できる時間や鍵の扱いを本人と相談する
持出用品保管場所、薬・食事・道具の所在家族全員が実物の場所を確認する
動物の情報写真、識別情報、必要な健康情報、かかりつけ分からない情報は登録先や動物病院へ確認する
見直し確認日、転居・頭数・健康状態の変化古い条件をそのまま使わず更新する

預け先や近所の人の名前を書くだけでは、協力の約束にはなりません。頼める相手には、動物の頭数、運搬方法、引き受けられない場合の連絡まで相談しておきます。災害時に相手自身が避難している可能性もあるので、一人だけを頼りにした計画にしないことが大切です。

練習は『外へ出る前』まででも役に立つ

いきなり避難所まで歩く訓練をしなくても、持出袋と運搬具を並べるだけで分かることがあります。両手で荷物を持つとリードを持てない、二頭のキャリーを一人では運べない、玄関で扉を開けると動物が出てしまいそうになる。こうした問題は、平常時に見つけておきたいものです。

まず、動物を安全な別室などへ分けた状態で、家族だけで荷物の取り出しから玄関までを確認します。実際に動物と練習するのは、運搬具に慣れ、落ち着いて扱える範囲で十分です。大きな音を鳴らして驚かせたり、怖がる状況をわざとつくったりする必要はありません。

  • 持出袋の場所を、家族が説明なしで見つけられるか確認する。
  • 荷物を持っても、扉の開閉とリードの管理ができるか確かめる。
  • キャリーの留め具、底、取っ手を点検し、破損があれば使用を見直す。
  • うまくいかなかった一つだけを直す。動物が疲れたり怖がったりする前に終える。

クレートの動画は、普段の置き方や使い方を考える補助としてご覧ください。動画を見ることと、災害時の避難判断は別です。どこへ、いつ移動するかは、居住地の危険、自治体の避難情報、家族の安全を踏まえて判断します。

備えは一度で完成しません。今週は避難先、次は持出袋、その次は家族の分担というように、一つずつ確かめれば十分です。買った物の数ではなく、『必要なときに使えるか』を基準に見直してください。

よくある質問

同行避難なら、必ず一緒の部屋に入れますか?

いいえ。同行避難は避難行動を表す言葉で、避難所での同室を保証しません。受入場所と管理方法は、住んでいる自治体・利用予定の施設に確認してください。

ペットがいるので、自宅に残った方がよいですか?

ペットの有無だけでは決められません。浸水、土砂災害、建物の損傷など、自宅にとどまる危険と自治体の避難情報を確認します。命に危険がある場所へ戻ったり、救助を待たず無理に移動したりしないでください。

今週、何から始めればよいですか?

避難先への問い合わせ、持出袋の場所決め、キャリーの点検の三つに絞りましょう。確認した日と回答した窓口を家族のメモに残すと、次に見直しやすくなります。

備蓄と避難先での飼養管理の参考:環境省「人とペットの災害対策ガイドライン〈一般飼い主編〉」。ここに示した練習手順と家庭内の役割分担は、一般的な情報を実践用に整理した提案です。個々の動物への適合や受入条件を保証するものではありません。

家庭で確認するチェックリスト

  • 自宅周辺のハザードマップを見た
  • ペット同行避難の受入場所と条件を自治体へ確認した
  • 指定避難所以外の候補を一つ以上決めた
  • フード、水、薬、療法食、排泄用品を準備した
  • 迷子札・マイクロチップの連絡先を確認した
  • 健康情報とペットの写真を紙でも持てる
  • クレートやキャリーで短時間休む練習をしている
  • 家族の役割と、家族不在時に頼れる人を決めた
  • 避難経路を実際に歩いた

この記事とJPACの活動

この記事は、JPACの事業領域である「防災啓発・訓練」と「動物愛護・適正飼養」に関する情報提供です。訓練や自治体との連携を実施したという意味ではありません。

今日からできること

まず、居住自治体の防災ページで「ペット」「同行避難」を検索してください。受入場所と条件が分かったら、家族の防災メモに書き加えます。次に、キャリーやクレートを普段過ごす部屋へ出し、扉を開けた状態で置いてみましょう。

家族で確認したいクレートの基本

犬との暮らしに役立つ動画を、これからも見たい方へ。

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参考にした公的情報

2026年10月3日の確認時点では、環境省の「ペットの災害対策」ページに正式な改訂版は掲載されていません。2026年6月に公表された改訂案は参考資料とし、この記事の基本事項は公開中の現行ガイドラインに基づいています。

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